2012年2月1日水曜日

第5回研修会終了しました。ありがとうございました。

第5回研修会、参加者45名(うち片知住民23人)で無事終了しました。
今回は1年間研修会をしてきた片知区所有の森林を今後どのように利用していくのかという話を、片知住民と外から来た人が一緒に話をする重要な機会でした。
まずは、毎回講師で来ていただいていた「島崎山造り塾」の佐藤大輔さん(ブログ:のほほん星人http://daiz.enat.jp/blog/index.php)の講演。

佐藤大輔さんの講演
「天空の城ラピュタ」や「アミ・小さな宇宙人」が心の書という佐藤さん。その中からの言葉の紹介や自身の体験を紹介され、大型機械化か小型機械による林業か、都市か農山村かなどを
たたみかけて対比しながら、ともすれば非人間的に陥りがちな林業や社会を批判し、片知の森の「水源の森プロジェクト」の先駆性を評価されました。
佐藤さんが抱いた(抱いている)都市化や非人間的な仕事や社会のありようへの違和感は、きっと多かれ少なかれ、多くの人が抱いているものでしょう。
参加者も自分の体験に置き換えてうなずきながら聞いていました。

じゃあ、片知のふくべの森で何ができるのか。
そのあと7人が発表しました。
①「山仕事をしながら板山で子育てをすること」寺田菜穂子
②「楽しい暮らし研究所@サクラネタカコ」中村隆子
③「板山「炭(焼き)」復権への道すじ」藤井伊男
④「「新田」でわさびをつくろう」佐藤潔
⑤「「よそ者」呼んで山造り塾」平井和子
⑥「ふくべ祭りでひと儲け@林業女子会」吉川亜希
⑦「地域の森をみんなの森へ」兼松史恵
それぞれが練られたテーマであり、春からすぐにでも始められる、もう始めることが決まっている、今年やってみて面白かったなどというものでした。
①は薪や枝を売るプランについて②は思わぬところに収穫できる山の産物がある(ふじ蔓、なめこなど)というもの。③はまだ使える炭窯の修復プランについて④は「新田」でのわさび栽培について
⑤は今年の研修会の内容を都市住民向けに片知の森でできないかというもの⑥は今年結成された林業女子会@岐阜(http://www.musublog.jp/blog/ringyoujosikaigifu/)が商品開発をしてふくべ祭りで出店するなら…くろもじ楊枝や丸太椅子、ティピのデザインショーなどのプランについて
⑦は片知はエコツアーを行う絶好の場所、案として薪ストーブと間伐を体験するツアーなどが発表されました。


炭窯の復活

発表後は参加者で車座になり、がやがや会議に移り、さらに森の利用についての案を出し合いました。
すると、いくらでも出てきます。


がやがや会議

・地元住民だが瓢ヶ岳などの山登りによく行く。展望できるところや登山道整備など行った方がよい。
・サルナシ酒やクロモジ酒美味しい。(杣の杜学舎副理事の山中亘さんがつくって趣味で作っているものを会場に展示していました)
・「新田」の森でマスなどを放して子供たちを呼んでつかみ取り大会をしたい。集落内ではもうやっている。
・グリーンウッドワークにはまっている。毎週でもそういう講座があれば行きたい。原木を提供してくれればよい。いつ行ってもできるというところがあれば。
・「わさび」は自分もやりたいけど、人の目がないと動物に全部やられてしまう。
・こごみやコシアブラ、タラの芽などは自分も楽しみで植えている。
・シロヤシオなんかがある。
・昔はメジロ、ヤマガラ、ウグイスなどの小鳥を捕まえて遊んだ。
・カモシカ、シカもいる。
・食べるもの―クリ、キノコ、木の実。
・五目ごはん、茶飯懐かしい。外から来たからわかる独特の料理。
・今年片知集落の生家を買い戻して整備している。除草にヤギを使うだとか子供みたいなことをいうようだけど、皆で力を出し合えば集落の草刈りや維持もできるのではないか。
・無人直売所でいい。売るものは結構ある。
・しいたけほだ木が2万5千円ほど今年売れた。
・「森のようちえん」をつくりたい。
・枝がクラフト材料として売れる。作業が高齢者の集まるきっかけにできれば・・・。
・片知の子も通う下牧保育園は数年前より人数が増えてきている。木育を特徴にしたらよいなと考えている。
・事務所がいる。
・おこずかいか実業かはどっちなんだ?
と大きな輪でしたが、お隣どうしでも話す、みなの前でも話す、ほぼ全員が口を出しました。

お姉さんたちの五目ごはん

お昼は地元のおねえさんたちのお得意の五目ごはんと、スタッフ手作りのしし汁と
中村隆子さんが発表で話題に出たなめこ料理として中華スープを提供しました。
なめこはヒノキの間伐材で栽培したもので、秋に収穫して冷凍してあったものです。
五目ごはんは細かく切られた五目以上の具を先に煮てあり、それを炊いたご飯に混ぜるというもの。
昔は法事やお祝いの席でよく食べられたそうです。
「たくさん炊いた方がおいしい」そうです。
実はこの研修会の目的は人の和をつくるということだったのではないでしょうか。
この地域や森が好きということで集まって暖かくおいしいものを食べ、垣根なくがやがやわいわいと話している参加者の姿を見てそう感じました。
参加者の中には自分で何かをやりたいとかは思いつかない。ついていけていない、皆についてはいきたいが…という地元の発言もあり、話し合いの中で参加者の中に温度差があることも明らかになりました。
しかし、人が一緒に何かをするときに温度差や意見の違いがあるのは当然です。
意見の違いを問題にするのではなく、それぞれの意見を吸収しつつ、
この地域や森が好きだ。だから、なんとかしたい、関わっていきたいという原点にいつもたち戻ることが大事だと感じました。
それにはおいしい食べ物がいい役割をはたしてくれるのです。
おやつにはおねえさんたちお得意のおぜんざいをいただきながら、
片知の森を利用するためのグループをつくることを話し合いました。
グループでほだ木の菌打ちや薪づくり、炭焼きなどを行うことを決定しました。
事務局をつくり、春から活動していく予定です。
グループ会員まだまだ募集です。
活動がつながっていけば、今回出てきた案もグループ活動の中で実現可能性が広がります。
楽しみです。
ひとまず研修会は終了ですが、今後の片知の森の動きに注目してください。
ブログもできるだけ更新します。
今回の研修会写真はこちらです。↓
https://picasaweb.google.com/115977032222184661790/24129?authkey=Gv1sRgCNSfhbW9i57Vdg#